トヨタのアクアとマツダ新型のデミオの燃費・外観・室内の比較

自動車の価格は安全性を重視することで値段が上がってきているのが実情です。それゆえ、価格を抑えたコンパクトカーの存在はとても大きく、各メーカーもしのぎを削っている状況と言えます。今回はハイブリッドを武器に人気ナンバーワンになったトヨタのアクアと、フルモデルチェンジしたマツダ新型（4代目）のデミオを比較してみたいと思います。

こちらの2台の違いは果たしてどんなところなのでしょうか。性能や外観、内装を中心にそれぞれの特徴を見ることにします。

アクアとデミオの燃費を比較

アクアは低燃費実現のためにハイブリッド機能を搭載しており、電力を使ったモーターとガソリンを使ったエンジンを併用して上手にガソリンを節約して走ることができます。

まさにハイブリッドコンパクトカーの代名詞に相応しい自動車と言えるのではないでしょうか。

一方のデミオにはハイブリッド機能は備わっておりません。

ガソリンで走るタイプとクリーンディーゼルで走るタイプの2つが用意されていますが、果たしてどのように工夫をして低燃費化を実現しているのでしょうか。

まずはガソリン車のほうですが、SKYACTIV-G 1.5 と呼ばれる運転サポート機能が搭載されており、アクセル制御をスムーズにエンジンへ伝えて無理のない走りができるようになっています。

車線変更や追い越しで、アクセルペダルを余計に踏み込んでガソリンを無駄に利用しないことで燃費性能を高めているのです。

クリーンディーゼル車のほうも、同様にSKYACTIV-Dと呼ばれる運転サポート機能が搭載されておりますが、こちらはガソリンに劣る軽油の駆動出力を最大限に引き出してガソリンエンジンのような安定性と低燃費を実現しております。

どちらもエンジンに余計な負担をかけないよう工夫されていることがよく分かります。

それでは、アクアとデミオ（ガソリン車、ディーゼル車）の燃費を見てみることにします。

アクア：37.4㎞/リッター

デミオ（ガソリン車）：24.7kmm/リッター

デミオ（クリーンディーゼル車）：30.0kmm/リッター

※それぞれJC08モード燃費（国土交通省審査値として国が定めた参考数値）

やはり、電力を使ったハイブリッドカーの方が優勢といったところでしょうか。

しかしながら、ガソリン車でありながらこれだけの燃費性に仕上げたデミオもコンパクトカーとしてとても優秀な数値を残しています。

さらに、デミオ（ガソリン車）はアクアと比べるとかなり車体価格を抑えて販売しており、それだけハイブリッド機能が高いと言えるのですが、そう考えると月々のガソリン代が高めでも全体的なコストパフォーマンスでは同等の価値があると言えそうです。

また、クリーンディーゼル車の方はアクアよりも少し値段を抑えつつも、軽油代金本体がガソリンよりも安いことを考えれば、こちらも引けを取らないと言ってもいいと思います。

低燃費という面では圧倒的優位に立っているアクアですが、デミオもコンパクトカーとして価格面や維持費用面で十分に渡り合っていますので、それぞれ特性を生かした素晴らしい自動車と感心できると思います。

アクアとデミオの外観を比較

外寸を比べてみると、

アクア：全長4,050mm×全幅1,695mm×全高1,455mm

デミオ（ガソリン車）：全長4,060mm×全幅1,695mm×全高1,500mm

デミオ（クリーンディーゼル車）：全長4,060mm×全幅1,695mm×全高1,525mm

高さにわずかな差が出ておりますが、ほとんど同じ数値となっており、どちらもコンパクトカーの特徴を十分に生かした大きさにまとまっています。

2台とも共通して言えることは、コンパクトカーの中では珍しく、低い姿勢の流線形のフォルムを強調したデザインを採用している点だと思います。どちらも街中ではその美しいフォルムで魅了することでしょう。

アクアは、コンパクトカーらしさを残しつつも、フロントウィンドウの角度を低くして滑らかな流線形をアピールする形状となっており、スポーティーでありながらもどこか可愛げのある丸みを帯びた感じがいかにも大衆や女性向けの外観に仕上がっています。

フロントからサイドへ目を移すと、その可愛らしさがさらに強調されており、全体的に少し上方向へ持ち上げたような流れはバッグの方まで続いており、女性のヒップラインをイメージするかのような印象を受けます。

デミオの方は、コンパクトカーらしからぬ美しいフロントノーズが特徴で、大きなフロントグリルはメーカーが掲げているデザインコンセプトを十分に表現しています。

ファミリー層というよりはドライブを楽しむ大人向けのセカンドカーとしても人気があるようで、日本のみならず海外のファンもたくさんいると聞いています。

ヘッドライトから始まり、サイドからリアへ流れるフォルムはとてもしなやかで洗練された形をしており、ヨーロッパの自動車によく見かける躍動感に満ち溢れた造形さを思い起こします。

カラーリングに関しても両車には大きな特徴があります。アクアはモノトーンを基調とした街中で映える色を豊富に揃えており、明るいパステルカラーがとてもよく似合います。

公道でも様々な色のアクアを見かけることができますが、思い思いに自分に合わせて楽しんでいることでしょう。

それに比べてデミオは落ち着いた色のラインナップとなっておりますが、匠塗（TAKUMINURI ）という言葉を使った高度な塗装技術を公言しており、コンセプトとしては深みのある鮮やかさを表現しているとのことです。

重厚感を漂わすメタリック系のカラーバリエーションは、まさに大人心をくすぐるような感覚を味わわせてくれるのではないでしょうか。

アクアとデミオの室内を比較

まずはインパネ部分の比較をします。

アクアはメーター類を中央に配置することで視界の広さを保てるよう設計されており、見えづらさを解消した作りとなっております。メーター類はほとんどデジタル化しており、ハイブリッド機能（モーターの稼働状況やガソリン消費に関する燃費数値化）を分かりやすく伝えてくれます。初心者でも安心して運転できるように工夫されていることがよく伝わります。

それとは反対にデミオは運転を楽しめるかのようなインパネ構造となっています。運転席中央に置かれたメーターはスポーツカーのコクピットを思わせる作りで、ワクワク感のある形をしているのが印象的です。ハンドルとも一体感があり、シフトノブやサイドブレーキの位置もちょうど良いポジションに置かれていますので、運転席のカッコ良さについ興奮してしまうのではないかと思われます。

続いて室内全体を比較します。

アクア：全長4,050mm×全幅1,695mm×全高1,455mm

デミオ：全長4,060mm×全幅1,695mm×全高1,455mm

※デミオはガソリン車、クリーンディーゼル車ともに同じ

となっており、どちらも小さめの設計となっております。

前方の運転席や助手席はどちらも申し分なく快適に過ごせるのですが、後方座席はどちらも狭さを感じてしまいます。

中に入ってしまえばシートの角度が調整されているのでゆったり座れますが、乗降時には前かがみになり、窮屈さがどうしても出てしまします。

特筆すべきは、アクアは後部座席に向かって天井が下がってまいすので、上に圧迫感を感じる傾向にあります。

一方のデミオはリヤウインドウが他のコンパクトカーよりも小さく設計されているので、横に圧迫感を感じる傾向にあります。

大人4人でドライブに出かけても問題ない形状になっているとはいえ、体感的には狭さを感じてしまうかもしれません。

最後に荷室部分を比較します。

どちらも大差ないという印象ですが、それぞれ細かいところでスペースを広げる工夫をしています。アクアは荷室部分をフラットにするためにバッテリー類を後部座席に移すことで奥行きのある空間を実現しています。ただし、ハッチバックを小さくしたために大きな荷物を入れにくいところがあります。一方のデミオはアクアより車高がある分高さに工夫をしており、ハッチバックを四角く大きめにしたことで大きな荷物を積みやすくなっています。

アクアとデミオの比較まとめ

今回はアクアのハブリッド車、デミオのガソリン車、デミオのクリーンディーゼル車によりコンパクトカーの比較をしてみました。

このうち、アクアのハイブリッド車とデミオのクリーンディーゼル車は高い水準でエコカー減税の対象となっています。

燃費性を重視する点、運転性を重視する点でそれぞれコンセプトは異なりますが、地球環境を考えた設計とそれを支える技術力は共通点として褒め称えて良いのではないでしょうか。

是非ともお自分に合った車選びに役立ててもらえればと思います。

画像引用元URL
https://toyota.jp/aqua/
http://www.mazda.co.jp/cars/demio/