トヨタのアクアとヴィッツハイブリッドの比較

2017年よりヴィッツへ待望のハイブリッド車がラインナップされました。従来までは、ハブリッド車として低燃費を実現したアクアに対して、ガソリン車として価格を抑えたヴィッツという、同じメーカーの中でもはっきりとした違いをコンセプトに販売されていましたが、ヴィッツハイブリッドの誕生とともに同じハイブリッドコンパクトカー同士で比較されることになりました。

どのような違いが出てくるのか比較したいと思います。

 

アクアとヴィッツハイブリッドの燃費を比較

まずは参考のためにもガソリン車のヴィッツについて触れることにします。

カタログ燃費で25.0㎞/リッター、実燃費に換算すると15.0㎞/リッターとなり、他のエンジンのみで走るコンパクトカーと同等の高い水準を満たしていることが分かります。

価格面ではハイブリッド車と比べて30万円くらい安くなっていますので、全体的なコストパフォーマンスを考えると十分にハブリッド車と渡り合っていることがよく分かります。

では、本題のアクアとヴィッツハイブリッドを比較してみましょう。

昨年より販売されたヴィッツハイブリッドですが、2011年に発売されたアクアと基本的には同じ構造を共通して使用していると言われておりますが、少し改良されているので全く同じという訳ではありません。

アクアよりパワフルさを出せるように工夫されており、低速でもトルクを最大限に出力して加速性を改善しています。

そのため、燃費にわずかですが差が出ております。

アクア：37.4㎞/リッター（実燃費：25.0km/リッター）

ヴィッツハイブリッド：34.4kmm/リッター（実燃費：24.4km/リッター）

※それぞれJC08モード燃費（国土交通省審査値として国が定めた参考数値）

わずかばかりアクアの方が勝っているように見えます。

これはもともとハイブリッドコンパクトカーとして誕生させたアクアと、アクア誕生前からコンパクトカーとして世に送り出されていたヴィッツ（ガソリン車）のコンセプトの違いから、エンジン車に少しでも近づけたいという、パワフルさを求めたヴィッツ設計者の考えが及んだ結果だと思います。

なお、アクアとヴィッツハイブリッドの価格差はほぼ無いに等しいと考えていただいて結構ですので、低燃費を重視するか、パワフルさを重視するかという構図をイメージしていただければと思います。

また、ヴィッツのガソリン車と比べるとかなりの差が出ていることが分かります。

それだけハイブリッド機能は高価なものなのですが、それに負けないだけの低燃費性を実現させたことで、コストパフォーマンスを引き出しているとも言えるのです。

ガソリン車とハイブリッド車の大きな違いがお分かりになったでしょうか。

車体価格が安いのは魅力的ですが、長く乗り続けられることと、高い水準でエコカー減税の対象となっているアクアとヴィッツハイブリッドの方が、今後の地球環境への思いやりを考えるとお得な感じがしますので、こちらの点もご検討いただければと思います。

 

アクアとヴィッツハイブリッドの外観を比較

外寸を比べてみると、

アクア：全長4,050mm×全幅1,695mm×全高1,455mm

ヴィッツハイブリッド：全長3,945mm×全幅1,695mm×全高1,500mm

高さにわずかな差が出ておりますが、ほとんど同じ数値となっており、どちらもコンパクトカーの特徴を十分に生かした大きさにまとまっています。同じメーカーですので、大きさについては同等の基準値があるのでしょうが、デザインに関してはお互いに異なったコンセプトがあるようです。

アクアは、コンパクトカーらしさを残しつつも、フロントウィンドウの角度を低くして滑らかな流線形をアピールする形状となっており、スポーティーさを強調したフォルムを持っています。

そのフォルムはサイドからリアまで一体化しており、車高を持ち上げるかのような下方のラインが美しくアピールしています。

リア上部にはこの流れをさらに後ろへ流すかのようなエアロパーツが組み込まれており、全体的な完成度の高さを理解ができると思います。

このデザインは単に美しいというだけではなく、低燃費実現へ向けた空気抵抗を極限まで排除した作りが実感として沸いてきます。

一方のヴィッツハイブリッドですが、コンパクトカーの王道を行くデザインと言えるのではないでしょうか。

フロントを短くしたその姿はとても可愛く、どことなく小さな動物をイメージさせる感じがします。

アクアと比べてフロントとリアが安定した体形を持っており、まさにキュートといった言葉がピッタリと当てはまります。

アクアが男性や大人らしい女性が似合うとすれば、ヴィッツハイブリッドは女性や若い年代層に人気があるように思えますが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。

カラーバリエーションですが、共通してパステルカラーを取り揃えているという点があります。

街中に映える色だと思いますので、並んで走るとその美しさ、その可愛さはより一層引き出されると思います。

なお、ヴィッツハイブリッドにはその他にメタリック色を用意されています。

アクアの顧客層を狙った考えなのかもしれませんが、全国的な系列店で販売するアクアに対して、販売店の少ない専門店で販売するヴィッツハイブリッドには、この豊富なカラーバリエーションが必要なのかもしれません。

同じサイズのコンパクトカーですが、外観に大きな違いがありますので、どちらが好みか判断しやすいと思います。

 

アクアとヴィッツハイブリッドの室内を比較

まずはインパネ部分の比較をします。

アクアの特徴は他のコンパクトカーと違って、ずばりメーター類を車体のセンター位置へ集約している点です。

視界を広げて運転に集中できる構造になっており、スピードメーターを含めて全てがデジタル化されております。

ハイブリッド機能に関する情報も豊富に備わっておりますので、どれくらい燃費性を高めているかがすぐに分かります。

また、足回りもスッキリしていますので、あまり運転に慣れていない方でも難しいことなく運転できるのではないでしょうか。

一方のヴィッツハイブリッドですが、従来のガソリン車の特徴をそのまま受け継ぎ、大きなアナログメーターを運転席の中央に配置したデザインがよく分かります。

必要な情報がドライバー目線に全て集中しており、運転慣れしている方からすると安心できる構造になっているのではないでしょうか。

また、シフトレバーやサイドブレーキもすぐに手が届く位置にあり、従来のヴィッツ（ガソリン車）の良い点を継承していると思います。

 

続いて室内全体を比較します。

アクア：全長2,015mm×全幅1,395mm×全高1,175mm

ヴィッツハイブリッド：全長1,920mm×全幅1,390mm×全高1,240mm

となっており、どちらも小さめの設計となっております。

しかしながら、外寸ではそれほど違いを感じませんでしたが、長さ：95mm、高さ65mmは少しお互いに特徴が出ているように思えます。

どちらかと言えば、室内の長さではあまり差が出ているとは感じませんが、高さについては違いを感じる方はいらっしゃると思います。おそらくヴィッツハイブリッドの方が広く感じられるのではないでしょうか。

数センチの差と言っても、乗り比べてみると頭部への圧迫感はアクアの方が強いかと思われます。

この2台を比較した場合、室内の高さは最大のポイントと言っても過言ではない気がします。

是非この点については体験されたほうがいいと思います。

なお、シートの固さですが、私の印象はアクアが固めであり、ヴィッツハイブリッドはそれよりも弾力のある柔らかいという印象を持ちました。

 

最後に荷室部分を比較します。

ラゲッジスペースはどちらも大差ないという印象ですが、あえて言うのであればヴィッツハイブリッドの方が若干広い感じがします。

実寸が示す通り、ヴィッツハイブリッドはアクアよりも座高があり、しかもハッチバックの開放口がアクアよりも四角く設計されているので、荷物の出し入れもしやすい印象があります。

 

アクアとヴィッツハイブリッドの比較まとめ

アクアとヴィッツハイブリッドを比較したところ、モーターやエンジン性能は共通と見て問題ないと思います。

それゆえ、走りや燃費性に差がなく、しかもボディサイズや価格帯もほぼ同等という結果となりました。

どちらかを選ぶかは、外観や室内空間の特徴を見て判断することになると思います。

2台の比較をしたいのであれば、メーカー系列店（ネッツトヨタ）であれば同車を扱っていますので是非お勧めいたします。

 

 

画像引用元URL
https://toyota.jp/aqua/
https://toyota.jp/vitz/